ダニ媒介脳炎

17日18時現在台風7号が北海道(日高)に上陸したもよう。風雨が激しい。
日高及び道東各地に被害が出ない事を願っている。



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さて、山に登る我々としては聞き捨てならぬ「ダニ媒介脳炎」の話題。
 道は16日、ウイルスを持ったマダニにかまれ「ダニ媒介性脳炎」を発症した道内の40代の男性が、死亡したと明らかにした。国内での患者の発生は1993年に道南で確認されて以来23年ぶり2例目で、死亡例は国内初。
 道によると、男性は7月中旬、道内の草やぶでダニにかまれた。道内で移動しており、どこでかまれたかは不明という。皮膚科を受診してマダニを除去したが、その後、発熱や意識障害などの症状が出て札幌市内の病院に7月25日から入院。治療を受けていたが、今月13日に病院で死亡した。

 ダニ媒介性脳炎はフラビウイルスを持ったマダニにかまれることで発症することがあり、致死率は、重症化した人のうち2割とされる。道内で同ウイルスを持つ可能性のあるマダニは主にシュルツェマダニとヤマトマダニがおり、草やぶや牧草地に生息している。
 道は、草やぶに入る時は肌が露出しないよう注意を呼び掛けている。

 フラビウイルスと言えば日本脳炎を起こすウイルスの仲間で、日本脳炎は蚊に刺されて感染する。日本脳炎は予防接種しか手が無く、ダニ媒介脳炎も治療法は基本的にはないのが現状だ。つまり、ウイルスを持ったダニにかまれれば、亡くなられた男性の様に除去しても感染してしまう。これは、脅威である。海外では感染例も多く(6000例以上)、邦人の死亡例も報告されている(ドイツ)。

 ウイルスを持ったダニの分布や、ダニのウイルス保有率が分からない以上、防ぐ方法はダニに咬まれない事のみである。これは、野山を歩く人には困難である。
 マダニにはリケッチア感染症もあり、こちらは、ミノマイシンが有効であり、分布も北海道では釧路湿原など多数の感染例から理解も進んでいる。

 ダニ王国「ひだか」にウイルスを持ったダニが、エゾシカに運ばれている危険性が否定できない。ダニに咬まれれば除去すれば良いという安易な考えは、次の犠牲者を生むかも知れない。
 現状では、肌を露出しない事と、ダニチェックをこまめに行い、咬まれれば速やかに除去して、1-2週間後の発熱が無い事を運に任せるしかない。
 また、ひだかの山が遠くなってしまった。

by tmurakami0520 | 2016-08-17 18:37 | つぶやき | Comments(0)

山が好きな内科医のつぶやき


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